遭遇

3/26
前へ
/330ページ
次へ
俺が足早に歩くから、エリナは追いつけなくて小走りになる。息を切らしながら話しかけてくる。 「川田さんとどこかに行くんでしょ。信じられない。隆、知ってる?そういうの『不倫』って言うんだよ」 俺はエリナの顔を見た。こんな可愛い顔に『不倫』なんて言葉は全然似合わないな、と思う。少し笑ってから言った。 「いかがわしい関係になるつもりは無いから、不倫じゃないよ」 「いかがわしくなければ、不倫じゃないの?」 「わかんないけど…たぶん不倫って、肉体関係ありきのモノなんじゃないか?」 「はぁ?そんなのもわかんないの?バッカじゃないの」 エリナは呆れたように首を振った。
/330ページ

最初のコメントを投稿しよう!

284人が本棚に入れています
本棚に追加