284人が本棚に入れています
本棚に追加
俺が足早に歩くから、エリナは追いつけなくて小走りになる。息を切らしながら話しかけてくる。
「川田さんとどこかに行くんでしょ。信じられない。隆、知ってる?そういうの『不倫』って言うんだよ」
俺はエリナの顔を見た。こんな可愛い顔に『不倫』なんて言葉は全然似合わないな、と思う。少し笑ってから言った。
「いかがわしい関係になるつもりは無いから、不倫じゃないよ」
「いかがわしくなければ、不倫じゃないの?」
「わかんないけど…たぶん不倫って、肉体関係ありきのモノなんじゃないか?」
「はぁ?そんなのもわかんないの?バッカじゃないの」
エリナは呆れたように首を振った。
最初のコメントを投稿しよう!