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エリナは鼻をすすると
「バカ!隆のバカ。10年後に後悔しろっ!」
そう言い捨てて走り去った。
しばらくその後ろ姿を見送ってから、腕時計に目を落とす。17時35分。まずい。急がないと。
これから家まで走って帰り、愛用のバイクで川田さんとの待ち合わせ場所に向かう。彼女の分のヘルメットは新調した。張り切りすぎだろうか。こんな風だから川田さんに「可愛い」なんて言われてしまうのかもしれないな。
エリナ、ごめん。気持ちは嬉しいけど、今はお前のこと構ってやれない。俺、こう見えてもいっぱいいっぱいなんだ。
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