遭遇

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「沙耶さん」 俺は言った。 「今日は『川田さん』じゃなく『沙耶さん』でいいですか」 彼女は頷いた。そして子供のように無邪気な笑顔になる。 「私も『隆くん』でいいですか」 ああ、天にも上りそうな気持ちだ。 予約したのは高層ビル最上階のレストラン。以前に成人の祝いで親父に連れてきてもらった場所だ。でも今は、そのことを沙耶さんには聞かせたくない。また子供扱いされたら困るからな。
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