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第三章 剣道部!!
「ねえねえ、天音は部活どこはいるの?」
休み時間、天童が聞いてきた。
「俺は小学生の時から剣道してるし、剣道部にするよ。」
「じゃあ僕も剣道部にするーーー!!」
え、そんなんで部活決めていいもんなのか?
普通は体験とかして楽しかったところとかにはいるもんじゃないのか。
「いいと思うけど、剣道したことあるのか?」
「ないよ!でも、なにか新しいことを始めたくて。」
新しいことか…
放課後
「すみませーん!!入部しにきました!」
剣道部の部室は部室棟の三階にある。
といっても部室棟は着替えや休憩などにしか使わず、
防具と机くらいしか置いていない。
そして、練習は体育館でしているため、もちろん
放課後は体育館か剣柔道場にいる。
なにが言いたいかというと、誰もいない部室に俺達は来た訳だ。
「なぁ、体育館行こうぜ?」
「だよね!僕も言おうと思ってた」
じゃあなんで防具着て遊んでるんだよ。
てか誰のかもわかんねえ防具をよく着れるなぁ
「すみませーん!」
体育館中に響いたその声は稽古中の全員を振り向かせた。
「あっもしかして、入部希望者?」
剣道部の部長らしき人が相手に礼をしたあとこっちに
向かってきた。
「はい!僕たち入部したくてきました」
俺が喋らなくても天童が喋ってくれるからよかった
「えっと、君たちは初心者?それとも経験者?」
「俺は経験者です。一応、2段もってます」
「僕は初心者です!!」
経験者だった俺は、実力を見るといわれて
くじで当たった先輩と試合をすることになった。
中学生では上段や突きは禁止だが、高校生になったら
打ってもいい。
だから、上段や突きの返し技を知らない俺は少し不利な状況にある。
俺はそれをカバーできるような実力を持っているだろうか。
先輩との試合が楽しみで仕方ない
「それでは試合を始めます。試合時間は三分で、
藤井くんは中学校から上がりたてのため、上段や突きはなしとします。それでいいですか?」
「あのー俺は先輩の上段とかも見てみたいので
なしじゃなくていいです」
だって上段をやるのは初めてだし、見てみたいじゃないか。
「では、」
俺達は九歩の間合いに立ち、審判の指示を待った。
正面に礼をしたあと互いに礼をし、5歩すすむ。
そして帯刀して3歩進み、蹲踞する
「始め!!」
「「やぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
第一声は、物凄く大事だ。
気合いが入り、相手を威嚇できるからだ
相手は上段を構えた。さっきの部長と俺の会話を
聞いていたのだろう。
先輩は竹刀を上に構えるだけでなく、
少し斜めにする。
上段は力強い技を打てる代わりに胴が
がら空きになる。
そのため、胴を狙ってるように見せかけて相手の
上段が崩れ、面を打とうとしたところに
「めええええええん!!」
「こてええええええええええ!!!」
剣道は技や礼儀、声だけではなく残心も大事だ
俺は小手を打ったあと、すごい勢いでうしろに退いた。
「小手あり!!」
最初の位置に戻り、構える。
「二本目!」
結局、二本目は開始そうそう面を打って
俺は試合に勝った。
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