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カランカランと神社の鈴の音。
かしわ手2つ。
玉砂利を踏む音、話し声など。
彼、聞こえない声量で、
「~~~ますように」
彼女は聞こえる声量で、
「花が…咲きますように!」
雑踏音─。
ざわざわ。
彼「おまえの願い事、やっぱ受験か。だよなー。俺にとっても受験重いわ」
彼女「…うん」
彼「何だよ、元気ねーじゃん?」
彼女「…そ、かな?」
かしわ手や鈴の音─。
彼「そんなんじゃ、おみくじ失敗するぞ?」
彼女「…うん、そ、かもね」
彼「ホントどーした? 具合悪いのか?」
彼女「あ、いや、そうゆうんじゃないけど…」
彼「けど?」
彼女「おみくじって、信じてる?」
彼「まぁ、最初の運試しみてーな?」
彼女「失敗したらどうするの? 引き直すの?」
彼「あれはそうゆうんじゃないだろ。一発勝負的な感じだな」
彼女「…じゃあ、先に引いてよ。それ、一部だけ見せて」
彼「まぁ、いいけど。ヘンなやつ」
玉砂利の音、おみくじ振る音─。もう一度、玉砂利の音─。
彼「にひひ」
彼女「どーだった?」
彼「大吉!」
彼女「見せてくれる?」
紙の音ぺらり。
彼「勝負運とこ見てみ? 受験、勝ったな俺」
彼女「恋愛もいいね」
彼「信心怠らなければ叶う。つっても無宗教なんだが」
彼女「信心ないの?」
彼「信じる心だろ、つまり。誰にって書いてねーもん」
彼女「じゃあ、信じてるものはあるんだ?」
彼「おう」
彼女「いいなあ。自信あって」
彼「自信もそーだけど、信じてりゃいいんだよ、なんだって」
彼女「…うん、そ、かもね」
彼「少なくとも、恋は叶うって書いてあんだ。つまり、おまえのおみくじも大吉だと断言する」
彼女「えっ?」
彼「引いてきてみろよ。大吉じゃなかったら、俺の大吉を分けてやる。二人で叶えてよしとしようぜ」
きらきら音─。
ハート渦巻く音─。
彼女「うんっっ」
玉砂利、おみくじ振る音─。
彼「どーだった、結果は?」
彼女「…うん」
彼「てか、ニヤケすぎ」
彼女「私も…大吉!!!」
しゃらしゃら、きらきら。
カランカラン鈴の音。
かしわ手2つからの、
主題歌フェードイン♪♪
おしまい
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