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「それじゃなんのためのソロなのか分かんないじゃん、俺は一人でもやれるって証明したいんだよ。一人でやっても映えるようにするのが、アレンジャーの役目なんじゃないの?」
坂上はなんとか感情を抑えつつも、つい早口にまくし立ててしまった。
「そうだよね、ごめん」
アズマは動じず、まったく悪いとは思ってなさそうな顔で微笑む。その笑顔に引き寄せられるように、またキスをする。そんな自分が少しいまいましいが、もう目の前のアズマのことしか考えられない。
「なんでいつもそんな、痛いのこらえてるみたいな顔でキスすんの?」
アズマの声はやはり、少し甘くて少し冷たい。眉をしかめ目が鋭くなっている坂上の神経質そうな表情が、アズマの肌に沈む。
あんたが手に入らないからだ、とは言わない。言えない。無言で白い肌に唇を這わせ、アズマの黒いシャツの前を性急にはだける。いつもながら、白い肌が黒い服に映えてなまめかしい。
「で、この曲のアレンジはいつまでに上げればいい?」
坂上を受け入れながら、快感にわずかに語尾を震わせてアズマが言う。
「三日ぐらいで」
アズマの肌を貪りながらほとんど反射的に答えた。ソファの背もたれにのけぞるように身体を預けている、アズマのズボンの前をはだける。下着越しにも分かる、大きく育っている欲情。
「いつもは火がつくのが遅いのにね」
「……こんなとこで抱くからだろ」
下着ごとズボンを下ろされて、アズマの視線が恥ずかしげに横に流れる。ソファの上、はだけた黒いシャツの下で胸の上までまくり上げられたTシャツ、太ももの中程まで下げられたズボン。白い身体の中心、黒い茂みの中で限界まで勃ち上がっているアズマ自身。
「アズマさんを興奮させるには、スリルか。誰も来ないから大丈夫だよ」
坂上はじっくりと、目の前のアズマの姿を味わうように眺める。
「いいから早くして」
潤んだ瞳で見上げられ、坂上は興奮に身体が熱くなった。だが余裕がないと思われたくないから、少し笑って、首筋に舌を這わせながらアズマの欲情を愛撫する。
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