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「 よぉ ゆか 」
猛はあたしより一つ年上の
学園の男子寮に
住んでいる子だ
ここいら界隈では
生粋の悪ガキで通ってる
背は高く
またニキビが頬に
増えたように感じる
猛はニヤッと笑って
後ろにいる男の子を
前に押し出してあたしに言った
「こいつ
隣の学校の誠也っていうんだ 」
・・・・・知らない男の子・・・・
「あたし
勉強してるから忙しいの 」
一斉に男子達は笑った
大勢の子に笑われるのは馴れていた
何がそんなにおかしいのか
よく分からないけど
笑われる理由は
日によって違ってた
「親がいない 」とか
「いつも同じ服着てる 」とか・・・・
兄の隼人は笑われるたび
かたっぱしから
殴って歩いてたけど
あたしはそんなことできない
猛があたしの耳元で囁きかける
「こいつ・・・・
まだなんだ
だから 頼むよ 」
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