第一話 私はユカ

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「 よぉ ゆか  」 猛はあたしより一つ年上の 学園の男子寮に 住んでいる子だ ここいら界隈では  生粋の悪ガキで通ってる 背は高く  またニキビが頬に 増えたように感じる 猛はニヤッと笑って  後ろにいる男の子を 前に押し出してあたしに言った 「こいつ 隣の学校の誠也っていうんだ   」 ・・・・・知らない男の子・・・・ 「あたし  勉強してるから忙しいの  」 一斉に男子達は笑った 大勢の子に笑われるのは馴れていた 何がそんなにおかしいのか よく分からないけど  笑われる理由は 日によって違ってた   「親がいない 」とか  「いつも同じ服着てる 」とか・・・・ 兄の隼人は笑われるたび  かたっぱしから 殴って歩いてたけど あたしはそんなことできない 猛があたしの耳元で囁きかける 「こいつ・・・・  まだなんだ だから 頼むよ  」
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