第一話 私はユカ

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あたしは誠也の手をにぎり  戸惑う彼の手をひきながら 川べりにある無人の納屋へ 向かってまっすぐに歩いた 納屋の重たい扉を空け  誠也を入れると引き戸を閉めた 暗くひんやりとした中は 静まりかえっていた どうやら  ここは近くの農家が野菜の 貯蔵庫に使っているらしく 何度も猛とここで 秘密の遊びをしたが 今まで誰も来ることはなかった 猛は最近は時々 自分以外にもこうやって  別の子をあたしに紹介する そして  猛はあたしが他の子にも同じように 秘密の遊びをすることを 知っている・・・ 少し前までは物事はもっと 単純だったような気がする 友達と遊んでケンカして  勉強をして毎日が過ぎる 小さい頃は みんな男女関係なく仲がよかった
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