662人が本棚に入れています
本棚に追加
/1105ページ
納屋一杯に敷き詰められた
藁と穀物の匂いが長い間
川べりで座って
冷えていた体にまとわりつく
誠也は近くの藁の
小さなかたまりの上にすわった
つづいてあたしは誠也の目に
向かい合って腰をおろした
「ねぇ 誠也
あたしのを見たい? 」
あたしはそう言って
誠也の膝に手をおいた
彼は真っ赤になってうなずいた
そう
猛や他の男の子なら
ここからしばらくの間
とてもあたしに優しくしてくれるのだ
「じゃあ
あなたのも見せてくれる? 」
じっと誠也の顔を覗き込む
自分の髪が薄暗い
納屋の隙間からこぼれる
日の光があたって
金に近い栗色にキラキラ輝いていた
中学になったら髪を染めようかな
「先にみせてくれよ・・・・」
最初のコメントを投稿しよう!