第一話 私はユカ

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納屋一杯に敷き詰められた  藁と穀物の匂いが長い間 川べりで座って  冷えていた体にまとわりつく 誠也は近くの藁の 小さなかたまりの上にすわった つづいてあたしは誠也の目に 向かい合って腰をおろした 「ねぇ 誠也   あたしのを見たい?  」 あたしはそう言って 誠也の膝に手をおいた 彼は真っ赤になってうなずいた そう   猛や他の男の子なら ここからしばらくの間 とてもあたしに優しくしてくれるのだ 「じゃあ  あなたのも見せてくれる? 」 じっと誠也の顔を覗き込む 自分の髪が薄暗い 納屋の隙間からこぼれる 日の光があたって  金に近い栗色にキラキラ輝いていた 中学になったら髪を染めようかな 「先にみせてくれよ・・・・」
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