第一話 私はユカ

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大和川を見下ろす 丘のいただきに 【児童福祉養護施設太陽学園 】 はあった 新品の校舎のようではなく  かといって みすぼらしい建物でもなく   壁のペンキがはがれ 落ちているのをのぞけば ちょっとした教会のような 施設が草原に ポツリとたたずんでいた よく磨かれた床を歩くと  大勢の人が一つ屋根の下で 暮らしている匂いが鼻についた・・・ それは けっして一般家庭には 漂っていない施設独特の 匂いで・・・・・ そしてあたしは   今はそこの園長室にいた 胃を捩られるような 緊張が全身に降りかかっている 学園長は私を呼び出して 大きな園長の机に座って パイプをくゆらせている 学園長は 何かもの想いにふけっていた あたしは学園長の後ろにある 窓の外で自由にイヌワシが 空を低く旋回して飛んでいるのを ボーっと見つめていた・・・・・・
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