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サイレンの音が聞こえ
パトカーが近づいて来るのがわかった。
少女が、虚ろな微笑を浮かべて音のする方向を眺めた。
「もう、終わりだ……」
誰に向かっていった言葉なのか
アイカの寂しそうな声が馨の耳に届いた。
「………、………」
近づいてくる、パトカーのサイレンの音が大きすぎて
少女が何を喋ったのかまったく聞こえなかった。
でも、少女は何かをつぶやいた。
虚ろな笑みは、消えて、
一瞬だけ悲しそうに微笑んだ。
でも、すぐ次の瞬間には
ゾクッとするほど表情を無くした。
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