2PK

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 どうしたって地央さんの様子がおかしい。  推測の域を出てる。  ぜったい隠れてコソコソやってる。  何がなんでも、肌艶良すぎだし……なんか、違う。 「なんかさあ、平林さん、最近なんかキラキラしてない?」  そして、元々が部活の先輩後輩の間柄で、留年している地央が心を許している一番仲のいい存在として確固たる地位を築いている真直の耳入に入る、ダメ押しのような声。  それは一度や二度ではなく、ここ数日、色々な相手から複数よせられる証言だった。 「彼女でもできたのかな?」  はあ!?  んなわけあるかっ!! 「そういやあ、放課後バスに乗ってくの、ここ何回か見たわ、俺っ」 「外部だ外部。まあ、同級生もう大学生だしなぁ」  ……へ? 「わー、あれか? あのキラキラはオトナの色ってやつですか」 「くーっ! 俺も女の子とスッキリしてピカピカになりてええええ」  オンナノコトスッキリ、とは。 「おまえは女の子いなくてもなれるなれる。遺伝子だもの」 「はあ!? 親父のあれは職業坊主だからね!? ありのままのワタシじゃないからね!?」 「外したもん勝ちだよな。風よ吹け、少しも怖くないわ、だもの」 「だもの、じゃねえしっ! 外すって何!? 剃ってるの、アレはっ!」 「そうだな。うん。そうだそうだ」 「はあ!? おまっ、はああ!?」 「うるさいっ!! 頭の話はどうでもいいわっ!! ちょ、何、その、地央さんの話っ! 彼女って。そんなもん居ない居ない」  だって、居るのは彼氏ですからっ!! 「え。違うの? 俺、予備校の近くのカフェで女のヒトと一緒にいるとこ見たけど」  突然の乱入者のとんでもコメント。 「は?」 「すげえ顔近づけててさぁ。あの距離はもう、一線踏み越えた相手であろうな」 「スペックスペック」 「派手目の綺麗なネエちゃん。雰囲気からして、近くの専学の学生じゃね? 栄養ドリンク張り」 「何が?」 「胸が」 「は? お前、Sカップって、巨乳っつかもう、乳牛じゃねえか」 「イメージイメージぃ。ありゃ男のロマンだな。もう、ね。挟まれたい」 「こらっ! 平林さんの彼女にセクハラ発言するんじゃありませんっ!!」 「挟まれたままお口にってのがさぁ……あ、やべ、勃ってきた。お、ちょっくらイってくらぁ」 「ひゃはは。おまえがミルク出してどうすんだぁ」 「最低かっ!!」  シモネタもシモネタだ。  そんなもん、地央さんに限ってあるわけは……ない、とは、言いきれないのは、思春期男子の性欲で。  そして地央さんだって、10代のオトコなわけで……。  高校生の割りに濃いだろうということは重々承知している自分の性体験の中でも、大きな胸に挟んで擦られ、口淫を施される心地良さは、なかなか格別なものがあった。  もしも。童貞で、初めての体験でそれを知ってしまったら。例えばそこまで心がなくても、ついその行為にのめり込んでしまうんじゃないか、とか。  ───俺だけ見てろ。  その言葉に、俺への好意を汲み取れたとしても。  俺は。  俺には。  柔らかい体も。もちろん胸も、ない。  俺がどんなにあんたが好きでたまらなくても。  バカバカしいくらい、あんたに夢中で、朝も昼も夜もずっとあんただけでも。  俺の立場なんて、一瞬でひっくり帰るもんなんだ。 
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