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−−−島野瑞希side−−−
まさか、あんなにゴミが散らかってる部屋にごみ袋がないなんて思わなかった。
俺のこの家での最初の仕事は、遼一に着いてきてもらいゴミ袋を買う事になった。ゴミ袋も買い置きしてないって、どんな生活してたんだろ。
どうやって生活してたのか心配になる同級生だなぁ。一緒にスーパー行くなら近所の様子とか道も覚えられるだろうし、一石二鳥だね。
お金を返す立場の人間と、回収に来た側の人間が一緒に買い物って、よく考えたらおかしな光景。通りの木々が風で揺れる音が、笑ってる音みたいに感じてしまう。
通りすがりの知らない人達には、普通の友達同士に見えてるんだろうな。
こんな再会の仕方じゃなかったら、普通に元同級生として楽しく話せたのかな。二年の時、俺のことわざと避けてなかった?なんて聞けないし。聞いても別にわざとじゃなかったんだろうな。
遼一にとって別に俺は居てもいなくても変わらない存在でその辺の石ころ同様どうでもいいクラスメイトだったんだろうな〜って思うと、ちょっこ凹む。
俺は…たまに曇るその顔が気になってて、もっと話してみたかったのに。
やめやめ、こんなマイナス思考は俺らしくない!
遼一のマンションから一番近い、徒歩10分くらいスーバーに入り、ごみ袋買いついでに色々食材も買っていこうって話になった。
スーパーをウロウロし始めると遼一は天然なとこもあって、「オヤツとしてバナナも買って帰るか悩んでる」って、バナナと見つめ合ったりしてて可愛い面もあるんだな〜って大爆笑してしまった。俺が笑い転げてる理由が分からなくて、遼一は困ってるみたいだったけどね。
おかげであっという間に、普通に同級生と買い物してるみたいな気分になれたんだ。
こんなに普通に優しくて、ちょっと抜けてて、職場の人と同じように見えるのに、なんでヤクザさんみたいな事してるんだろう。
買い込んだ食材も、遼一が両手に二袋、俺には軽いのだけ一袋持たせてくれた。
帰りの道すがら神社の入口らしき階段が見えてきた。
「あっ、遼一の家からスーパーくる途中に神社見かけたんだ。あそこあそこ。寄っていっていい?俺が早くお金返せるようにお参りしたいなと思って」
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