ウインディ 2

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「ウィンディ、どうかしたのかね?」 何の前触れもなく背後から話し掛けられ、ウィンディは文字通り飛び上がった 「し、司祭様…威かさないでください…」 そこにいたのは平衡神神殿のゼニード司祭だった 普段と変わらぬ慈愛を湛えた笑顔 だが元冒険者で、斥候役の自分の背後を容易に取られるなど、考えられない 相手が自分自身よりも遥かに高ランクなのであれば、それは可能なのだろうが そうだ、この司祭は人気が高く、普段から信者に取り囲まれている なのに、どうして今日に限って自分と二人っきりなのか? 偶々なのか…意図的に人払いをしたのか… そこに思い至った時、今日の自身の服装を改めて見直して、後悔した アメリアやジュリアンに冷やかされ、ブレンとキリーが見惚れるほど、女の子らしく白のワンピース姿なのだ 勿論何時ものように帯剣していない あとは…格闘術だけが頼り そこまで考えた瞬間 不意に全身から力が抜ける感覚 魔術を使われた?いや、そんな素振りはなかった 「やっと効いてきたか」 その場に居ないはずの、もう一人の男の声がした 懺悔室から出てきたのは、確か、ビッター子爵と言ったか… ギルドにもこの貴族絡みの苦情はいくつか届いていた、金払いが悪いとか… そこでウィンディの意識は途切れた
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