Introduction

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王都を濃い霧が包んでいた 文字通り鼻をつままれても気付けない、直ぐ隣でさえも見えないほどの ブレンたちに仕事を依頼、送り出した鍛治師ギルドマスターがレッサーデーモンを屠った矢を全て回収し終え、一応周囲を探ってみるが、もう魔族の気配は感じられなかった が、懐かしい気配を感じた その背中を見た瞬間 なるほど、それでか… 「あのサキュバス、わざと外したのじゃろう?」 「さあ?あの人の考えはあたしにはまだよくわかんないの」 特に気にした風もない、若い女の声が応じる 「お主が本気ならばこの辺り一帯が更地になるから、多少鈍っているくらいが良いと思うが」 「そうも言ってられないかもしれないのに?」 「…救国の英雄がちょっと血を流し過ぎではないかの?最近騒がしているのは、お主たちであろう?公爵や王兄…」 「人違いでしょ?」 「それは…」 「まあ、暗殺者に狙われてないから、気楽に生きてるけどね?」 「何度も言うようじゃが、咎人にも生きる権利はあるのじゃぞ?」 「はぁ…残念、何十年経っても歩み寄ることは出来ないものね?」 「そうじゃな…だが咎人にも家族がいるかもしれないことだけは心得ておいてやってほしい」      「あたしは努力目標にはしておくけど?あの3人には自分で言ってよね?ところでギム、第三王女様ご一行様は?」 「平衡神神殿に向かわせたが?」    「はあ?バカなの?それとも平和ボケ?あの子たちであの魔族に勝てると思ってるの?」 女の出した魔族の名前を聞いたギムレットが顔色を変える 「…本当に貴方たちは昔からそうだ、余計な用事ばかり増やしてくれる…!」 その言葉を最後にギムレットの周囲から完全に人の気配が消え、さっきまでの濃霧も立処に消えた
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