子どもたち

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「話を進めさせていただきますね。」  そういったのは祐子だった。 「先日、父から話は聞きました。まずはこちらをどうぞ。」  祐子はファイルを友里花と母親の前に出す。  ファイルを見て、友里花の母親はジロリと祐子を睨む。 「どういうことですか?うちの娘に無理やり検査を受けさせたんですか?親の私に許可もなく!」  ファイルの中の書類には天夜友祐と友里花の父子関係は完全にないことを表していた。 「検査を申し出たのも、キットを準備したのもお宅のお嬢さんですよ。」 「そんなの……だ、だとしても!そっちで偽装でも何でもできるじゃない!」  友里花の母親は激高した。 「だったら、もう一度、皆さん立会で検査機関に赴いても構いませんよ。ただそれでも同じ結果だった場合、こちらも出るところに出ます。貴女が今まで同じような詐欺行為を働いていたことはすでに調べていますよ。」  祐子の冷静な切り返しに友里花の母親はグッとつまる。 「詐欺行為だなんて……そんな大袈裟な。」 「悪質でしょう?自分の娘を利用して脅迫まがいなことやってるんだから。しかも家に対してだけじゃないですよね?」  祐子の冷たい言葉に部屋の温度が下がったように感じる。  わけがわからない友月は固まったままだ。 「……なんの覚えもなければ、私の話なんか信じないでしょ?みんなやましいことがあるから進んで有耶無耶にしようとしただけよ。あんたの父親だって心当たりがあるから検査したんじゃない!何、自分たちばっかり被害者ぶってるのよ。」  ヤブレカブレなのか友里花の母親は怒鳴り散らす。 「良かったじゃない!赤の他人で!ムーンリットグループの後継者候補が実の妹に手を出した、なんてことにならなくて!友祐(あんた)は期待されない『月無し』だろうけど、息子は違うみたいだもんね!ああ、そうだ!だったら、友月君、うちの友里花貰ってよ。あんまり愛想のない、可愛げの無い子だけど。母親の彼氏にも色目使うくらいには色気もあるわよ。」 不快感で顔を上げたくない。そう思ったその時に。 「いい加減にしてください!あなた、それでも母親ですか?」  ドアが開いて部屋に入ってきたのは。  天夜透子さんだった。
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