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「友里花ちゃん……だよね?こんにちは。おばさんのこと覚えてる?」
声をかけると俯いていた友里花ちゃんは顔を上げてこっちを見た。
「え?あ……ゆづ……天夜君のお母さん?」
「うん。久しぶりだね。今から学校?」
「………はい。」
「あ、もしかして友里花ちゃんも戸籍抄本取りに来たの?今日締め切りなんだってね。」
「……はい。……」
友里花ちゃんはますます暗い顔をした。
「じゃあ、学校まで一緒にいく?私、友月に届けものなの。」
他のものならともかく戸籍抄本を友里花ちゃんに言付けるわけにもいかないだろう。
「あの……私…」
何かを言おうとする友里花ちゃんを見つめたときだった。信じられない衝撃が側面から急にやって来た。
乗用車が車止めを乗り越えて、コンビニの私達の話している所に飛び込んできたのだ。
「友里花ちゃん!」
あのときのミニ運動会のドリブルリレーのときのように、何も考えずに私は友里花ちゃんを庇うように抱きついた。
友里花ちゃんを抱きしめたまま、私は意識を飛ばした。
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