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「嘘……でしょ……!? 無い、無い! さっき落ちた時?」
「あ、何か探し物ですか?」
「だ、大丈夫~~って言いたい所だけど。一緒に探してくれない? こう、小さな銀筒なんだけど」
「は、はい。分かりました」
ノルンは良く分からないまま、顔を地面に近付けてミアの落とし物を探す。
一体自分、何やっているんだろう。
なんて疑問は棚上げにして、積もった落ち葉の周辺を集中的に探す。
すると。
「あ、ミアさん! コレじゃないですか?」
ノルンが落ち葉の中から小さな銀色の筒を摘まみ上げる。
首からも提げられるよう、一応革紐も付いているが、奇妙であった。
「ん……? 何か、名前が彫ってありますね。『アルメリア』……?」
「あ~~~~っと、あ、ありがとね」
慌てたミアが手を差し出してきたので、ノルンは小首を傾げながらも銀筒をミアへと手渡した。
が。
その瞬間、銀筒の蓋がゆっくりと開き、ミアの掌の上で転がった。
「あ、ヤバ……!」
ミアのその言葉を皮切りに、銀筒から吹き出した大量の白い霧状のモノが二人を包み込み、ノルンは濃霧に飲まれるが如く、意識を手離した。
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