まさかの再会

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優妃との仲は入社してからだから、かれこれ四年の付き合いとなる。お互い大卒の身で、年齢も同じだ。初めて話したのは――そうだ、入社式の日。 トマトとモッツァレラチーズのサラダを取皿によそっていると、また斜め前と視線がぶつかった。 「……取りましょうか? 宜しかったら」 皿に手を伸ばしかけると、にっこりとした笑顔が向けられる。 「お願いしようかな。取って欲しくて見てたわけじゃないんだけどね」 「あー、慧士、何? 早くもロックオンした?」 「違う違う。や、違わないか。邉見さんがやけに口元綻ばせてたから、かわいいなって」 ミニトングでしっかりキャッチしていたはずのモッツァレラチーズが、するんと舞い戻ってしまった。 瞬時に掴み直して、今度はちゃんと取皿へ移す。 「千聖、入社式のこと思い出してたでしょ。この子、私にストッキング貸してくれたんですよ」 「へぇ、何? いい話っぽいね」 「ちょっ、優妃、いいから! 上杉さんも前のめりにならないで下さい」 「俺も気になるなぁ」 ぐっ、と固まった私に、「ありがとう」と手が伸ばされる。取り分けた皿を「どうぞ」と手渡すと、グラスをぐいっと傾けた。
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