最弱

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最弱

[駆け出しの魔物使い(ビーストテイマー)である俺、三崎吉孝(みさきよしたか)は魔法とスキルを使うスライムにぼこぼこにされてしまう。そして俺は、そのせいでついた称号『地上最弱の魔物使い』として世に知れ渡ってしまった!!] 「酷い怪我大丈夫ですか?どうしたのですか?」 「ありがとうマホさん。魔法を使うスライムとスキル持ちのスライムにぼこぼこにされてしまいました……。」 「なるほど。それは災難でしたね。」 「それでお願いなんですが、あのやばいスライム退治の協力をお願いしたいんです。」 「分かりました。それでは数名の調査員が同行しますので、しばらくお待ち下さい。」 ギルドの係員である彼女が呼び出しから、10分くらいだろうか、5人の調査員の一人が俺の前に立ち、話しかける。年齢は20代前半くらいで、腰には普通のものより立派な剣を刺している。 「調査長のミラだ。よろしく頼む。それで三崎さんが変貌スライムと会った場所まで道案内してほしいのだが、宜しいか?」 「分かりました。よろしくお願いします!」 ミラは調査員と吉孝を率いて、吉孝が変貌スライムと遭遇した深い森の場所へ到着した。 「ここです。」 「よし。それでは、私が一人で白井と野木は三崎さんと、木山と井原の二人のコンビで調査開始だ。散れ。」 ミラの一声で彼女達調査員は動き出した。俺と2人の調査員がミラ隊長と木山井原コンビと別の道を歩き出して10分くらいだろうか、2人が警戒態勢を取った。 「居ます警戒して下さい。」 と発言した白井だったが何の前触れもなく突然、片手が切断してしまった。野木は、その痛みで地面に踞(うずくま)る彼女を心配したが、白井と同じ結果なると考え助けには行かず、SOSサインを発信した。そしてすぐに野木は、負傷した白井の体を持ち上げ、木の影に隠れながら治療を行った。しかし、木の影で白井の治療をしていた野木も、何処からか足を撃たれてしまった。野木は足の痛みを堪えながら必死に吉孝に話しかけた。   「三崎さん……。気を付けて……。ここは危険ですから、早く仲間の場所に逃げて下さい……。私たちのことはいいですから……。」 「いやでもそんな。あなたたちも逃げないと。」 「これはミッションなんです……!犠牲はつきものです……!だから一刻も早く報告を……。」 野木の言葉で覚悟を決めた俺は、負傷している二人を置いて、木山と井原のチームの元にに行った。 「あれ?三崎さん。あの二人はどうしたんですか?」 「野木さんと白井を助けて!このままだと二人は死んでしまう!」 あの場所で何があったのか、2人はいまどんな状態なのか、とにかく事細かに木山と井原に説明する。そして2人と共に野木と白井の元に戻ると、2人は木の影でぐったり横にたわっていた。心配して木山が2人に話しかける。 「二人とも大丈夫?誰にやられたの?」 「もうやめて……。本当に痛いからもうやめて……。許して下さい……。」 尋常でない程、怖がる彼女達だったが、俺を見てその恐怖はピークに達したように見えた。 「三崎さん……!本当に辞めて下さい……。私の腕を切り下ろして、治療してはまた切り下ろして……。」 「三崎さん!私達、三崎さんに何かしましたか?どうしてこんな酷いことするんですか……!?」 その発言を聞いた木山と井原は、吉孝から少し距離を取り、剣を構える。 「おいお前。何故そんな酷いことしようとした。」 「返答次第では今ここで切り捨てますよ。」 「待って待って、俺はそんなことしてないですよ!だから一旦落ち着いてくださいよ!」 しかし2人はこちらに聞く耳を持つ様子がない。 そうして仕方なく、俺は木山と井原から、逃げることにした。
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