翌週

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今日はこれで終わりにしようって思ってたのに、どうしたって体が疼いて仕方ない… 「…っ、もうダメ…抱いていい?」 「えっ!?抱く…って…」 「入れんのは…流石に駄目か…じゃあ触って?同じのついてんだからわかるっしょ?」 「うん…っ」 感覚を確かめるようにゆっくり上下に動かし、俺の反応を見てくる心の視線が、蓋をしてた気持ちを更に煽ってくる。 だけど感触的には物足りなくて、俺は自ら心の唇に食らいつき腰を動かした。 あぁ…こんなに気持ちが高揚したのはいつぶりだろう。 俺は心の事が好きなんだろうか… 快感に身を委ねながら目を閉じると、何故か大好きだったあの人の甘い声が頭の中に響き渡った。 (将吾…) 「…っ、かの…っ…」 「ん…っ、将吾くんっ?気持ちいい? 」 「あ…っ、うんっ、気持ちいよ…っ」 なんだよ、今更あいつの事なんてもう忘れたはずなのに…っ。 「心…っ」 「んっ?なに…?」 「はぁ…っ、将吾って呼んで…っ」 「将…吾っ、将吾っ、ん…っ」 「んぅ…っ、はぁっ、あっ、ん…っ」 心の首元に手を回し、俺の名前を呼ぶその唇に夢中で喰らい付けば、頭の中は愛おしさでいっぱいなる。 それが、心に対するものなのか… 久しぶりに蘇ってきたあいつへの想いなのかは、俺にも分からない。 けどもうこれ以上、湧き上がってきた感情を押える事が出来なかった。 「あっ、あっ、心…っ、イク…ッ!」 心の手の中で欲を吐き出し果てても尚、興奮を抑えられず心の首元に腕を回したまま、夢中で心の唇に食らいついた。 「ん…っ、しょ…ご…っ」 「はぁ…っ、んっ、あぁ…ごめん…っ」 「なんで謝るの?」 「止まんなくて…っ、しかも、手…汚しちゃった…」 「いいよ…平気…」 そう言うと汚れた手を躊躇なくぺろっと舐めるから、俺はビックリして慌てて心の腕を掴み口元から離した。 「ちょっ、何してんのっ!?んな事、しなくていいからっ!」 「ふふっ、なんだよぉ、将吾だって俺の飲んだでしょ?俺にも味合わせてよ」 「…っ、だってそれは…っ」 「お仕事だから?」 「や、違うっ、違うよ…そうじゃないけど…っ」 「ならいいじゃん…?」 再び白濁に塗れた手をそのままにぺろっと舐めると、空いてる方ので手で俺の頭をポンポンしてくるから、恥ずかしくて気まずくて目も合わせられない… 「絶対マズイよ…っ」 「んーっ、美味しいよ?」 「なっ////嘘つけっ!!」 「じゃあ、俺のだってマズイよ…」 「そんなことない…っ」 「ねぇ、将吾…俺さ?将吾の事…」 「あっ!えと…もうそろそろ時間だから、シャワー浴びてこいよ…なっ!?」 「…うん、わかった」 無理やり話を遮ったのにも関わらず、心は笑顔で頷いてくれた。 俺は一先ずほっとしてベットに体を預ける。 さっきの言葉の次にどんな言葉が来るはずだったのか… 今の俺には聞く勇気がない。 心が俺の事を軽蔑したとしても、また好きだなんて言い出したとしても、どっちにしろ俺にはまだ受け止める強さはない。 もうこれ以上は駄目だ… 取り返しがつかなくなる前に、今日限りでこの関係は終わりにしよう。 シャワーから戻ってきて支度を始める心に、意を決して話を振った。 「心、来週から来なくていいよ…」 「えっ、でもっ…」 「お前こっちの人間じゃないだろ?もうやめとけ…」 「そんな事ないよっ!?だって俺はっ…」 「あーもぉ終わりっ!俺が話したことも全部忘れてくれていいから…わかった?」 「将吾…」 「心…巻き込んでごめんな…」 「ううん、これからも友達でいてくれるよね?」 「…あぁ」 「わかった…また連絡するから…」 あぁ…終わった。 でもこれで良かったんだ。 普通の大学生として過ごしてた心を、都合よく利用してこっちに引き込んだのは良くなかった。 俺に興味があるなんてただの物珍しさなんだろうし、心の為にもこれ以上関わらないようにしなきゃ… 何よりこれ以上、俺が心の事を好きにならないように―――
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