ラブリ

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ラブリ

 しかも最新型のラブロイドと交換ならば悪い話ではない。  それどころか、ラブリみたいな暴力的で不良品のラブロイドを最新型に交換して貰えれば嬉しいくらいだ。考えるまでもない。 「もちろんイヤよ」  だがラブリはきっぱりと断った。 「えッ?」ボクもあっけに取られ真横に座るラブリを見つめた。なんでボクが提案されたのにラブリが答えるんだ。 「ンうゥ」龍宮寺飛鳥も眉をひそめた。 「ラブリはショーと契約したの。ショーが死ぬまでラブリが(シモ)のお世話をするわ」  腕を組んで密着してきた。 「(シモ)のお世話なんてしないだろう」  ラブリが来てからずっと関節技(サブミッション)地獄だ。プロレス技を試され、こっちの方がいい迷惑だ。 「……」龍宮寺飛鳥は無言で秘書とアイコンタクトを取った。 「なるほど、では一億で如何(いかが)でしょうか」  さらに飛鳥は好条件を提示してきた。 「え、一億ですか?」  あり得ないほどの金額だ。拾った宝くじが一等に当選したような気分だ。 「それと交換するラブロイドも最新型特注品をご用意いたします。こちらの中からお好きなタイプをいかがでしょう」  秘書はパンフレットを広げた。何千万円もする最新型のラブロイドばかりだ。しかも女優みたいな美女でボク好みの巨乳ぞろいだ。見ているだけでよだれが出そうだ。 「ゴックン」  ボクは激しく誘惑にかられた。 「なによ。こんなもの欲しくもないわ」  ラブリはパンフレットを横取りし真っ二つに破って放り投げた。 「ああッ」なんて事をするんだろう。 「ラブリとショーは愛し合っているのよ。いくら大金を積まれても揺るがないわ」  まったくラブリは聞き分けがない。
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