第六話 雑煮

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友達の幸せそうな話は良いなと思う。帰宅しても楽しかった余韻が消えない。 いくつになっても恋バナは楽しい。私は話題を提供できなくて申し訳ないけど。ま、その分ルームシェアの話をたくさんしよう。ラスボス攻略なんて、おそらく話題の宝庫だろう。 しかし、攻略の第一歩から悩む。お試しを終えてまだ数日しか経ってないし、家に押しかけるのも悪いような気がする。でもメッセージでやりとりするようなことでもないから直接会って話すほうがいいと思う。ジムで話すことでもないし、やっぱり家に行くのが一番なんだよなぁ。それなら、この勢いで聞いてしまおう。 『ルームシェアを検討する上で直接聞きたいことがあるので、お時間をとっていただけないでしょうか?』 メッセージを送り、直球すぎたかなと心配になる。もう少しソフトに尋ねるべきだっただろうか。 結城さんはそれほど返信が早いタイプでもなく、既読にもならない。送り直そうか、と思い、まぁいいかと思った。変に濁すほうが話しにくくなる。そう思い、返信のことを考えるのはやめて、眠る支度を始めた。 返信に気づいたのは翌日の昼休憩だった。 『時間を取るのは大丈夫なのですが、今少し仕事が立て込んでいるので、来週でも構いませんか? 平日の夜などでも大丈夫です』 内容を見て返信が少し遅めだったことに納得する。 仕事が追い込みの時に邪魔をする気はないので、結城さんの言うとおり待つことにした。 それから少しやりとりをした結果、訪問する日は月曜日に決まった。平日すぐで大丈夫か聞いてみたけど、週末を過ぎたら仕事は落ち着くらしい。
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