白い家 初秋

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 幻の大陸、アトランティスがあったと言われる美しい島。  青い空と海の中に、真っ白な家ばかりが並んでいる光景は圧巻だ。  ふたたび、外に出た和香は、 「あ」 と声を上げる。  さっきはスーツケースの方を気にしていたので気がつかなかったのだが……。 「課長、また、オリーブの実、セロハンテープで貼り付けました?」 「なんで、今更、そんなことすると思う。  おい、タクシー来てるぞ」 と急かされ、はーい、と和香は慌ててタクシーに向かい、走る。  耀はもう二人分のスーツケースを引いて下の道まで下りていた。
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