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チョコ調査
「晃さんはバレンタイン、どんなチョコ欲しいですか?」
「ん?菫がくれるなら何でも嬉しい」
店からの帰り道。バレンタインが近いことを思い出し、菫は聞いてみたのだが。
「それはそれで嬉しいですけど。手作りか、買おうか、悩んでて」
「手作りがいい。菫のお菓子美味いから」
「じゃあ、作りますね。前はチョコケーキ作りましたけど、種類どうします?トリュフとかフォンダンショコラとかありますけど」
「菫に任せる。当日楽しみにしたいじゃん」
楽しげに笑う榊につられ、菫も少し笑った。
「分かりました」
「俺が一つ考えてんのは」
「?」
榊が立ち止まり、菫も足を止める。
「バレンタインこそ何も起きるなよ、ってことだ。クリスマスからこっち、イベントの度何かあるからな。俺たち何も悪くないのに!」
「あー……」
クリスマスにはループに巻き込まれ、大晦日は歳神と地蔵の来訪、初詣では神隠しに遭った。菫は複雑な顔で榊を見る。
「晃さん、それフラグになりません?」
「なってたまるか!バレンタインくらいのんびりいちゃつきたい!」
本音を叫ばれ、菫は溜息をつく。
「これだもんなあ……」
何故口を開くとこの調子なのか。何事も無く過ごしたいのは菫も同じだが。
「何が起きても。晃さんと一緒なら大丈夫です」
「……もう何も言えねぇだろ。んなこと言われたら」
睨む榊を見て、菫は声を出して笑った。
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