お昼休みはウワサでいっぱい

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官僚系じゃないとすると、熱血漢の人情味ある男性社員のどちらか―といったところかな? 人情系の優しい人がいいなぁ…もしかして、女の人かも?! 「噂によるとやって来るのは相当な切れ者で、まだ若いのに部長やってるってよ」 松山さんが「俺より年下の男。で、既に部長。出世街道まっしぐら、ってやつだな」と苦々しく言いながらやけ食い気味にプリンをパクつく。 男の人か―やっぱりやり手が来るんだ。 若いってことは、松山さんより下ってことか…四十歳くらいかなぁ? 情報を得て、想像の中の人物像を変更させていく。 「しかも、本社でも鬼の様に辣腕(らつわん)を奮っているとかいないとかって噂を聞いた」 辣腕を奮っているとかいないとかって、どっちだ~と、思わず内心突っ込みを入れてしまう。 まぁどっちにしても、これは仕事には容赦しない改革派とみた。 うーん、それにしても鬼かぁ…鬼…厳しそう―うぅっ。 圧倒的に経験が足りない分、足手まといなのはこの半年の経験から自覚している。 それだけに、鬼と言われる人と一緒の仕事が始まると思うと今から緊張してしまう。 「どうでもいいけど、卯月。お前、最近は殆んど無くなったうっかりミス。それだけは気をつけろよ」 「俺達もたぶん自分の事で精一杯だし、本社の上相手にフォロー出来ないからな」 松山さんと前田さんに釘を刺されて「うぅぅ…っ」と思わずその場で項垂(うなだ)れる。
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