11話 昔話⑤

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 銀狼と黄蓋はチラッと目線をかわした。 「この邸は、俺たち以外いない。人払いをしてるっつーのは聞いたか?」 「はい、伺っております」 「それはこのためでもあったのだ」  黄蓋が一度席を外すと、琵琶琴びわごとと、何かを抱えて帰ってきた。飴色あめいろの、よく使い込まれた楽器だった。それをわたしに差し出して、 「ひとつなにか『唄』を奏でてくれないか」  と真剣に託した。 「最後までではなく、冒頭だけで良い」 「……? 構いませんが……」  もうひとつ、黄蓋は手に持ってきたものをそっと卓に置いた。なにやら小ぶりな籠。その中をわたしもそっと覗き込む。  わたしは息を呑む。 「え……! これは一体ーー!?」     ⌘ ⌘ ⌘
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