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第一幕 序
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「貴女の名前は美雨というのだな」
美しい銀髪の青年は、わたしに手を差し出しながら、口元に微笑みを浮かべた。
わたしはその花が開くような笑顔につられて、自然と手を取っていた。
「美雨、わたしは君を迎えに来た。君をあるべき場所へーー叶うなら、わたしの花嫁として迎えるために」
この時のわたしは、この手を取ることが、虐げられていた自分の人生を、全く違う運命にいざなうとは思いもしなかったーー。
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