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ーーく、クーリングオフ? それは…確認いたしますので、お待ちいただけますでしょうかぁ
と、そのとき左にいた悠太がそっとわたしの袖を引っ張った。わたしは悠太に続いて慌てて初詣の列の横に捌ける。
「しっかりお願いできた?」
「うっ、うん。多分…?」
「ははっ、なんで疑問系なわけ?」
悠太はわたしの大好きな笑顔で笑った。胸がきゅんとして、思わずうつむく。
周囲の女性参拝者がこちらをうかがって「えっ、なんかあの背の高い人カッコいいね」とささやきあった。
ちょうどそのとき
ーーお待たせしました。
と声が響いたので、慌てて頭の中で呼びかける。
(……ねぇ、これが妄想じゃなくてホンモノの神さまっていうなら、ハンズフリーにして欲しいんだけど)
ーーはっ? はぁ…
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