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俺の愛しい恋人
着ていたコートを床に投げ、座っている虎白を跨ぎ、長身の彼を少し見下ろす形になった俺は、虎白が言いたくて我慢しているであろう事を口にした。
「俺を許してくれるなら、抱きしめてくれ」
見上げた虎白の指が俺の頬を撫で、空いた手は腰を寄せ、少し困った顔で見てくる虎白の頬を、俺の手が包む。
「……んちゃ、灰田さぬんかい渡しぶしこーねーん」
「あぁ? 灰田に渡いたくない? それはこっちの台詞や」
返した言葉に、虎白が、え? と。短く声を上げ、俺は眉根を寄せる。
ん? 俺、おかしなことを言ったか?
「黒兎さん、ずっと思ってたんですが……俺が話すウチナンチューの言葉、わかるんですか?」
し、しもうた! そういうことか!
弁解しようにも、時すでに遅く、目を輝かせ、俺を見る虎白を見てしまった以上、秘密は隠せない。
「必死に俺の言葉を理解しようとしてるお前に、俺が何もしないのはフェアじゃないだろ?」
「イケメンすぎますよ? 黒兎さん」
「うるせぇ、俺はお喋りを終わらせてキスがしたいんだ」
「素直になりすぎ……」
少し前屈みになっただけで、届いた唇は、重なり合い、薄っすらと唇を開ければ、虎白の舌が滑り込んできて、俺のソレに触れ、絡ませきたことで、欲望のまま、深い濃厚なキスへと変わっていく。
口端から流れる唾液さえも気にせず、貪り合うキスに身体が熱くなり、味わったことのない快感に溺れる。
服の隙間から入り込んできた虎白の手に、身体が跳ね、唇を離して出た言葉は、悪態と言う名の焦り。
俺がやられる方だと薄々わかっていたが、相手は虎白だ、女と同じヤリ方だと思ってるんじゃないかと不安になってきた。
「やいびーが?」
「…っはぁ、お前、ヤリ方わかってるのか?」
「俺、一応経験は積んでるんですよ? 女ですが……でも任せてください! 予習はバッチリです」
予習はバッチリ? 任せられるか!
想像しただけで、これから起こるであろう事が怖くて、虎白から離れようとしたが、腰を寄せられたことでそれは叶わない。
上着をめくられ、さっきまで絡ませた舌が今度は胸の突起を絡ませ、手はジーンズの中に入り、股間を弄ってくる。
同じ男に股間をいじられ、虎白に抱きついて女のように声を上げ、腰を揺らしてる……数年前の俺が見たらなんて思うだろう。
キスからの流れに俺のモノは滾り始め、虎白の手が上下に動く度に、粘着のある音を立たせ、やがてくちゅくちゅと水音を含ませ、濡れた音が部屋中に響き、その音に羞恥心を感じさせる。
息を荒くして喘ぎ、虎白から受ける手コキは、自慰とは比べ物にならないぐらい、気持ちよくて気づけば虎白に懇願していた。
「あ、……イっ……イクっ……!こ、こはくっ!」
「ゆたさんどー……黒兎さんのイク顔見せて?」
耳元で熱を込めた台詞と、追い立てるような手つきに、喘ぐことしかできなくて、虎白の手で包まれたモノは、快楽への頂点に達し、叫ぶような喘ぎ声と共に溜まっていた欲を吐き出す。
後ろに倒れそうになった身体を、寸前で虎白の腕に支えられたのだが、息を整える間なく、次の行動へと移っていく。
そう、虎白の指が俺の……なんというか俺の……俺の尻穴に這わせてきた。
その腕をなんとか掴み、睨みを効かせてみたがニヤニヤと嫌な笑い方で大丈夫と言うだけ。
「ふぃーじーやいびーさ」
「そう思う根拠は?」
「わじーくとぅいかなしん言らん」
怒るから言わない? そう鼻高々に笑って偉そうに言う虎白の腕を強く掴む。
「偉そうだな……この腕、へし折るぞ」
「言います言います! 灰田さんから聞いて……」
灰田の名前に眉が上がり、何を? と聞いた声に虎白の顔が引きつり、口を閉ざすが、言えの言葉で渋々言葉をつなぐ。
「黒兎さん、一度寝たら頬を叩いても大きな音を鳴らしても起きないって……」
「それで?」
「それで……それでですね、キスをしても…起きなかったから……」
えへへ。と申し訳無さそうに笑った虎白の顔に、察しがついた俺の顔が引きつる。
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