なるっての!!

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なるっての!!

 この世界では十五歳になると、どこかのギルドに所属しなければいけない。  “冒険者ギルド”に入って上位ランクを目指しつつ街を守っていたり、“商業者ギルド”に入って街を盛り上げつつ私財を増やしていたり。  普通に暮らしているように見える街人だって全員どこかに属している。  僕の両親は商業者ギルドに所属していて、街で酒場を経営しているし、三つ上の兄も一ヶ月はこの店で働いていた。  まぁ、兄の商才は抜群らしく、すぐに独立して今はかなり大きなお店を持っているが。 「ライも明後日十五歳ねぇ」 「もう決めたのか?」  皿を拭く母さんとジャッとフライパンを振る父さんに見られて、俺はニシシッと笑った。  ジョッキを持って立ち上がると、グッと飲み干してテーブルに勢いよく置く。 「俺は冒険者ギルドにする!!」  まぁ、中身はただの水だが、俺は胸を張って高らかに宣言した。
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