誕生日!!

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誕生日!!

「十五歳、おめでとう!!」  母さんがケーキを出した瞬間に父さんが手のひらを上に向けると、ポンポンと弾ける音がして小さな火花がパチパチと散る。  父さんの唯一使える魔法で、あまりにもの魔力のなさに“魔法ギルド”を諦めたらしいが、それは正解だったらしい。 「ライ。ギルドを選べるのはたった一度。今日のこの選択がお前の未来を決めるからな?」 「うん」  父さんが焦げ茶色のブーツをくれて、そっと足を入れる。 「もう決めてるのね」 「うん」  母さんがペンダントをつけてくれて、いつも母さんの胸元で輝いていたそのペンダントトップをそっと握り締めた。 「後悔しないか?」  聞かれて父さんの緑がかった目を見つめる。 「父さんは?今、後悔してる?」 「してないよ」  母さんと目を合わせて微笑むのを見て俺も口元を緩めた。 「でしょ?俺もきっと後悔なんてしないよ!」
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