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「何がおかしいんだよ」
プクッと頬を膨らませてもテオは地面に転がってバタバタ足をバタつかせて大笑い。
「笑うなっ!!」
怒鳴ると、やっとテオは上半身を起こして胡座をかいた。
それでもまだヒーヒー言っていて目には涙まで浮かんでいる。
「いや、ライが冒険者って……ぶふっ!」
やっと止まったと思ったのにまた笑い始めて俺のイラつきはピークに。
クルッと足の向きを変えてさっさとギルドに入ることにした。
「ライ!やめとけって!お前みたいな細腕のチビ。素直に商業者ギルドに入っとけ!」
それなのにテオはまだそんなことを言ってくる。
「うっさい!俺は冒険者ギルドって決めたんだよ!」
「頑固だなぁ?……ライ、冒険者はヘマすると死ぬぞ?」
振り返って唾を飛ばしながら喚くと、テオは短い赤髪を掻き上げてスッと真顔になった。
「わ、わかってるよ!」
あまりにもの眼力に思わず声が上擦る。
「転んで皿を割ったとはレベルが違う」
「知ってる!」
「本当に……お前に覚悟はあんのか?」
スッと擦り切れたシャツを捲くり上げたテオの腹には胸から下腹にかけて大きな傷跡があった。
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