5.ケーキとフォーク

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この場の空気を軽くしたくて、俺はあえて茶化すようにそんな冗談を言ってみたのだがーー。 「何で分かった?」 「え?」 「ミカのことは一生俺が面倒見ていくつもりだった。よく分かったな」 「……」 先輩の方はやっぱり目がマジで、微塵も冗談のつもりはなさそう。 「も、もう! バカなこと言わないでください! 先輩に面倒見てもらうつもりなんかないですよ!」 「でも……」 「……けど、一生一緒にいてくれるって意味ですよね? それは嬉しいです」 今度は俺の方から、先輩にギュッと抱き寄せた。 近付いた先輩の唇に、自分からキスをする。 先輩は驚いたのか少し目を丸くさせ……だけどすぐに、優しいキスを返してくれた。 先輩のキス、やっぱり甘いや。 「……先輩」 「ん?」 これは、俺が先輩にずっと伝えたかった言葉。 「ケーキとフォークが側にいるべきかどうか、俺にはよく分かりません。でも俺は、ケーキもフォークも関係なく先輩のことが好きなので一緒にいたいんです。だからこれからも……側にいてくださいね」 恥ずかしながらも伝えたその言葉を受け、先輩はどこか切な気に微笑む。 「……ああ。俺も、ミカにはずっと側にいてほしい。大好きだ、ミカ」 フッと笑った先輩に釣られて、俺も同じようにクスッと笑みを溢した。 ーーこれからも続いていく、俺達の恋。 俺はケーキで、先輩はフォークだけど…… きっとこの恋は、何よりも優しくて甘い。 End

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