この場の空気を軽くしたくて、俺はあえて茶化すようにそんな冗談を言ってみたのだがーー。
「何で分かった?」
「え?」
「ミカのことは一生俺が面倒見ていくつもりだった。よく分かったな」
「……」
先輩の方はやっぱり目がマジで、微塵も冗談のつもりはなさそう。
「も、もう! バカなこと言わないでください! 先輩に面倒見てもらうつもりなんかないですよ!」
「でも……」
「……けど、一生一緒にいてくれるって意味ですよね? それは嬉しいです」
今度は俺の方から、先輩にギュッと抱き寄せた。
近付いた先輩の唇に、自分からキスをする。
先輩は驚いたのか少し目を丸くさせ……だけどすぐに、優しいキスを返してくれた。
先輩のキス、やっぱり甘いや。
「……先輩」
「ん?」
これは、俺が先輩にずっと伝えたかった言葉。
「ケーキとフォークが側にいるべきかどうか、俺にはよく分かりません。でも俺は、ケーキもフォークも関係なく先輩のことが好きなので一緒にいたいんです。だからこれからも……側にいてくださいね」
恥ずかしながらも伝えたその言葉を受け、先輩はどこか切な気に微笑む。
「……ああ。俺も、ミカにはずっと側にいてほしい。大好きだ、ミカ」
フッと笑った先輩に釣られて、俺も同じようにクスッと笑みを溢した。
ーーこれからも続いていく、俺達の恋。
俺はケーキで、先輩はフォークだけど……
きっとこの恋は、何よりも優しくて甘い。
End
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