跡を継ぐ[読みきり]

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 翌年、あっくんは彼女と結婚し、それを見届けると翌年、伯父が亡くなった。  葬儀をすませ、挨拶をして帰るときにふと残ったイトコ家族を見る。  家長となった長男夫婦とその子供家族、長女夫婦とその子供夫婦、そこに私のいる場所は無かった。  彼らとはこれで縁が切れるだろう。  心の中でお別れを言って、本家をあとにした。 ※ ※ ※ ※ ※  さらに二年後、私は変わらず餅つきに参加して火の番をしていた。 「あなたー、そろそろ食べるわよー」 「いま行くー」 あっくんの妻となった彼女の母親は、いわゆるシングルマザーで、いまはその、つまり、なんというか……現在は私の妻である。  実は互いに初めてあったときから気になっていて、娘を嫁がせたあと、お互い独り身になったのでちょくちょく会っているうちに、つきあって、結婚することになったのだ。  おかげであっくんの義理の父親となったので、ふたたび家族として餅つきに参加することになった。 「昼からは餅つきに参加してね」 「分かってるって」  大きなお腹をしたあっくんの奥さんを見つつ、産まれてくる子に色々と伝えたいと思いながら、皆と一緒に華やかな餅料理を食べた。 ーー 了 ーー
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