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そっと馬車から手を伸ばすと、わかっていると言うように彼はわたしが降りるために手を貸してくれた。
「まずは彼らの武器になるものを回収してから炊き出しだな」
幸い、この領主邸には豊富な食物があるだろうから、炊き出しには困らないだろう。
一度目の人生のときの通りなら、いち早く暴動を察知した領主は逃げ出していたから、エドワードの指揮に抵抗もないだろう。
「ありがとう」
今、言葉多く説明はできないけれど、わたしたちは通じ合っていることがわかった。
どうか一緒にこの場を乗り切るために力を貸して欲しいと。
馬車から降り立ち、改めて民衆の前に立った時、わたしたちはあらかじめ決まっていたかのように微笑みあった。
そう、大丈夫。
わたしだけではないもの。
隣にはエドワードもいる。
だから、どんな険しい未来でも、希望は手放さない。
この国を導くために、わたしたちなら夢や空想ではない道筋を描けるはずなのだから。
⌘ ⌘ ⌘
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