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馬鈴薯に、食物や花であるという以上の、「特別な」王家と公爵家が重用しているーーという価値を見出してくれた彼らは、自分たちの領地で積極的に栽培してくれることだろう。
今日は、すでにもう何度かこのやり取りを、さまざまな地方の有力者と繰り返していた。
確かな手応えと、変化。
少しずつ、ほんの少しずつだけれど、一度目の歴史や不幸は変わってきている。
その感覚が、わたしにとってかけがえのない希望だった。
けれど油断ができないことも身に染みた。
わたしが加えた変化によって、新たな危機が起こることだってあると分かったのだから。
男爵領の暴動で、王太子の危機が去ったと思いきや、エドワードの命を危険にさらす可能性があったように……。
気を引き締めなければ。
でもーー。
「アイリーン?」
それ以上に、今だけは。
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