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今は、この気恥ずかしくも幸せな時間にひたっていたい。
ふと隣を見ると、わたしを見て微笑む彼。
わたしたちは、会場の熱気と声をかけてくる客人たちから逃れて、人目につかないバルコニーに出ていた。
頬を撫でていく夜風が心地よい。
「エドワード」
隣に立つこの人といられることが、例えようもなく嬉しい。
「わたし、あなたとこれからも一緒に生きていきたい」
エドワードが軽く驚いたように息を呑む。
「エドの隣に並び立つのに、わたしは相応しい女性になれるかしらーー。いえ、もちろんおこがましいとは思う……って、きゃっ!」
「アイリーン!」
話している途中で急にエドワードがわたしを強く抱きしめながら笑った。
「君はもうすでに素晴らしい……大切な、かけがえない人だよ! そんな風に思ってたなんてーーははっ! ああ、アイリーン!」
さらに気持ちが抑えきれないかのようにくるくる回り始めたので、わたしは慌てて彼の首筋につかまった。
「エ、エド!?」
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