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わたしが生きていられるのは、公爵家に生まれ、そうやって周囲のたくさんの手が支えてくれるからだった。
ありがたくて、優しさを噛みしめることばかり。
けれど、与えられ助けられるばかりで、この身には返しきれない恩の大きさを思うと胸がいっぱいになるときがあった。
(せめて、何かできることはないかしら?)
公女としての働きどころか、野を駆けることも、歌うことも、誰かを助けることもできないのに?
(わたしは一体、何ならできるんだろう)
自問自答するたび、それ以上は考えてはいけないと自分を引き留めた。
考えても答えのない心細さや焦りは、心の中にひたひたと溜まっていく冷たい水のようだった。
ひとりぼっちで立ち尽くすわたしの足元に、その冷たい水が押し寄せる。
年齢を重ねるとともに、それは静かに着実に水位を増していった。
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