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「それより君は怖くないの?」
「……なにが?」
「こんな訪問者が現れて怖くない?」
「あぁ……。我が家の衛兵は優秀だから、庭に入れたならきっとお客さまでしょう? 悪い人ではないんじゃないかしら。だから怖くはないわ。驚いたけれど」
「見た目と違って豪胆だね」
我が家の庭に入れたのだから、おそらく彼は来客として招かれたのだろう。
そうではなく、わたしに害をなすつもりなら、いまさら慌てても非力な娘など一捻りだ。
彼が死神だとしたら、ずいぶん生き生きしてイタズラ好きな死神もいたものだと思う。
いずれにしても、怖くはなかった。
「2階の窓から訪問するほどじゃないわ」
「それはご無礼を。申し訳なかった」
「ううん……。感動した。あんな身のこなしができるなんて!」
ふふっ、と彼は笑った。
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