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昼間なら喜んでご相伴に預かっていたところ。しかし今は午後八時過ぎなので、カフェインのせいで眠れなくなってしまうと困る。甘くしたら平気かと思っていた頃もあったが、ダメだった。先生みたいな玄人はともかくとして、素人が夜飲むものではない。間違いなく明日に響いてしまう。
「ああ、それもそうだね。たっぷりと寝て、健やかでいてもらわないと」
「先生も、ほどほどにしてちゃんと寝てください」
「肝に銘じるよ。ああそうだ、スマホが何度か鳴っていたように思うから、机の上に置いてあるよ」
「ああ、ありがとうございます」
個人所有のスマホは寮の規則によって、普段は先生に預けている。部屋に引っ込むとまず、机上のスマホを手に取る。
メッセージアプリの新着通知。地元の友達と、それから。
『さっきは、ありがとう。怖いってそういうことじゃないって笑われるかと思っちゃったから、ちょっと安心』
花冠をかぶったピンクのうさぎのスタンプがくるりと踊る。
椅子に腰を下ろしてから、キーボードの上で指を滑らせていく。近頃は入力するのがずいぶん早くなった。
……なんだこれ?
思ったままに綴った言葉に、いったい何を言っているんだろうと気恥ずかしくなりながらも、思い切って送信してしまった。
『俺もひとりは怖いから、ずっと一緒にいて欲しいな』
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