5限目.最悪の日

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瑠美『本当に知らない?』 知るわけがない……。 瑠美『てか、そうなるとアンタが一番怪しいのよ!』 瑠美がギロリと私を睨む。 その後ろで愛衣も睨んでいる。 愛衣『外から来た余所者だもんね、何するかわかんないわよね?』 瑠美と愛衣が睨むと周りの人間もザワザワし出す。 すると、瑠美が私の机やロッカーを探し出した。 瑠美『あった!!』 瑠美が大声で叫んだ。 私の机の中からクローバー柄のノートが出てきたのだ。 ノートの表紙にはご丁寧に 『3年2組3番 石川瑠美』 と名前まで書かれている。 瑠美『なんで私のノートがアンタの机にあんのよ!?』 本当に知らない。 私は何も知らない。 愛衣『マジで信じらんない、泥棒かよ!』 愛衣が軽蔑したような目で見ながらそう言うと、私の頬を引っ叩いた。 千尋『待って……本当に知らない!!』 瑠美『しらばっくれるんじゃないわよ!!私のノート()ったくせに!!』 愛衣『最っ低…これだから余所者は!!』 私は断じて()ってなんかいない。 完全に濡れ衣だ。 または何かの間違いかもしれない。 でも実際にノートは私の机の中から出てきた。 だから言い逃れもできない。 結局、誤解が解けないまま私は瑠美と愛衣に睨まれるようになってしまった。
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