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妹の璃亜のことは、母胎が一つだった命から二つの命に分かれた瞬間から、愛して止まなかった。
元々一つだった一卵性の妹は、こちらのことを考えていることを、頭を透かして見たのかと思えるほどにはっきりと分かっていて、だからどのくらい好きなのか分かっていて、そして、同じくらい好きだった。
『りなちゃん、すきっ!』
『りなも、りあちゃんのことがすき』
『ねぇ、ずっといっしょにいられるほーほーがあるんだって!』
『それはなに?』
『けっこんっていうの!』
今思えば、結婚はそういうことじゃないと分かるけれども、それほどまでに璃亜もずっとずっと一緒にいたいと思えていることが、頭の中で分かったことが言葉ではっきりとし、嬉しく感じられた。
だから、この先も当たり前に一緒にいると思っていた。──しかし。
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