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璃亜が誰かと仲良くしているのを、遠くで見ていながら、常にそのようなことを考えていた。
そうしてある日、璃亜がこのようなことを言ったことで、雷に打たれたような衝撃と共に、思いついた。
「好きな人が出来た」
虫酸が走った。
普段でも、心で思っている表情が表に出ないように偽りの顔をしているのに、出てきそうになった。
何を無邪気に言っているの。私より好きな人なんていないでしょう。
だから、口を揃えて「実は、私もその人のこと好きなの」と分かりきった嘘を吐いて、困惑する璃亜の唇を奪った。
動揺が隠しきれないといった揺れる瞳に、小刻みに震える肩。
まさか実の姉からこのようなことをされるとは思わなかったのかもしれない。
璃亜の初めてのキスを自分がもらえることにも嬉しくて、つい頬を緩めてしまった。
「璃亜ちゃん。お互いの好きが被ったら、キスをしよっか?」
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