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こぼれる星のあと
夜中に目を覚ます。
周りはまだ真っ暗だ。きっと夜明け前なのだろう、眠る前に火で暖めていたユルタの中の空気が冷え切っている。仲間たちは掛布にくるまって寝ているだろう。
かぶっていた掛布から抜け出して、仲間たちを踏まないようにそろりそろりとユルタの外に出る。
空を見上げると、こぼれ落ちてきそうなほどの星が輝いていた。
白い息を吐き、耳がちぎれるほどの冷たい風を受けて、静けさの中でじっと星を見ていると、東の空が赤くなってきた。
今日もステップの夜明けが来た。星が太陽の光にかき消されていく。
そろそろ仲間たちを起こして、朝のお祈りをしよう。それからまたユルタをたたんで、旅の続きだ。
神様に見守られた一日がはじまる。
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