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表向きは声には出さない。みんな良識ある大人だもの。
でもおそらくは、ほとんどの人が利府の親子じゃなくそのおじいさんの方に共感、あるいは同情してた。居た堪れなかった。
少なくとも私はそう。多分ママも、パパも。
この春から私は大学生。
両親が学んだのと同じ、近隣では最も学力が高いといわれる大学に合格した。
ママは私と同じく現役だけどパパは一浪だから、「帆南、すごいなぁ! やっぱりママの子だからな」なんて大袈裟に褒めてくれた。
パパのそういう、ママをきちんと認めて平然と表せるところ、私は大好きだし尊敬してるわ。
騒音で気が散って勉強が手につかない、なんて言い訳してるようじゃ受験突破なんてできない。それはよくわかってる。
だけど、邪魔が入らないに越したことないのも間違いないでしょ?
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