☆04. 感応寺くんと、お喋りしたい。

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 報連相の出来る男。……なのに殻に閉じこもるのは何故? わたしになら、開くことが出来るだろうか。閉ざされたあなたのこころの鍵を。 『無理に喋ろうとしなくても大丈夫。一緒に、……ゆっくり。あたたかい飲み物を飲みましょう……』  あのとき飲んだミルクティーの味が忘れられない。  わたしよりも年上のはずなのに随分と若見えする、真咲(まさき)先生のことを思い返してみる。……彼女がいるから、いまのわたしがある。 「読み終わるのは確かに勿体ない。けど……」意外にも感応寺くんは食いついた。うわ嬉しい。「2周3週しても面白い小説に出会えるのって奇跡みたいなもんだから。……面白いものは何度読んでも面白えし。心配すんな。東野圭吾を信じろ」 「……色々と映像化されてる作家さんだけど、すっごく読みやすいよね。いい意味で理系の文章。『人魚の眠る家』、映画は見たことあるんだけど同じ作家さん……なんだね。すごく切ないお話で、やっぱり胸が苦しく……なったよ。原作も読んでみたい」
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