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「『人魚の眠る家』映画版は原作にすごく忠実に作られてるからな。変にオリジナル要素を足さなかったところもいい。……東野圭吾が当たりなら、真保裕一も合うだろうな。ネタが被ることもある作家だから。『ホワイトアウト』とか、『繋がれた明日』で有名な作家さん」
思わずわたしは感応寺くんを見つめ返した。「……読書好きなんだね感応寺くん☆」
「わりーかよ」
「ううん。全然いいの……あまり本を読むひとって周りにいないからさ。……ね。よかったら、また本のお話とか……しようよ」
すると顔を上げた感応寺くんは、「……言っとくけどおれ、別に面白い話とかしねえぞ? ……多分。向谷さんはおれのことを誤解している」
……誤解。とんでもない!
たまらず笑みがこぼれた。「感応寺くんのこと、……まだあんまり分かってないの、だから教えて?」
すると仏頂面で感応寺くんは、「おまえそれ、おれ以外に言うなよ。……完全、誤解されっから」
きゃああ独占宣言きたぁあぁ!! おれはおまえだけのもの……おれ以外の男見んなよ……感応寺くんにならいっくらでも束縛されたいもんねー。調教。されたいしされまくりたーい☆
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