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静かな声。しかし、やけに重みを持って響いた。……やだこんなの。ドラマで見かける偽善者になった気分……。
はっきりと。だが感応寺くんは本へと視線を落としたまま告げた。「おれ、そういう、仲良しこよしとかまじで苦手なの。向谷さんが偽善者を気取るのは勝手だけど。……放っておいてくんない?」
「おいおまえそんな言い方――」
近くの男子が見かねて声をあげる。……が、わたしは背筋がゾクゾクするくらいに、感じていた。……ああ、こういう中二キャラ、だぁいすき。調教してやったらどんなだろう……ゾクゾクゾク。笑みすらこぼれてしまうのだ。
すると感応寺くんは、気味の悪いものを見るような目で、「……なに笑ってんだ。クソが」
うっふふ。……わたし、いままでの人生で受けに回ることが多くて……こういうキャラ、初めて。どんどん罵って!! 罵倒して!!
……しかしながら現時点で自分が超のつくどMだとカミングアウトするのは得策ではない。だからわたしは、眼鏡にくいっと指を当てて、
「感応寺くんみたいなキャラ大好き。これからも、いっぱい、遊んでね?☆」
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