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「デュアンとソユンは気が合うのだから一緒になるならなればいいでしょ?そこの自由は何度も伝えたわ」
母の言葉は、わざとでなくともデュアンたちを逆上させるもので、私はミィの手を引き一歩下がって彼女の腰を抱いた。
ミィにも説明したが、サラトガーナでの婚姻は16歳以上であれば自由だ。しかし王室で生まれた者は王の許しを得た婚姻をして、そのパートナーも王室の一員となる。だから、デュアンがソユンと結婚するのは自由だが、王が認めていないとなればソユンは王室の一員とはなれないし、デュアンの王位継承権はないということにもなる。
デュアンとソユンは自分たちが結婚するというよりは、そこに執着しているのだ。
「ミィが王室に入れてソユンが入れない理由は?」
「最初からいくつか伝えていたが…二人には伝わらないようだな。少し前にデュアンが突然の舞踏会を開いたな?」
デュアンの大きな声と対照的な落ち着きある声が何とかこの場を保っているようだ。
「それが?」
「私達も参加していたのだよ」
「聞いてないですね」
「仮面をつけた者も何人かいただろう?私達もそうして参加したのだが…人に飲み物をかけるなど思いもよらない行為を聞いて、驚愕とショックが大きかった…あれを聞いて、二人が人に慕われる様子はますます想像できなくなった」
「あれはアオの嘘だわっ、あとで聞けばこの女の父親だというじゃないっ」
「ソユン、ここは王宮です。自分の胸に手を当てて、デュアンと手を繋いで…代々の王と王妃が見守るこの部屋で、誓ってアオの嘘だと言えますか?」
とても静かな母の声がこの場を制したと思ったが、ソユンは…ある意味、感心するほど強かった。
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